Being

うつ状態の観察と書きたいこと

「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」の感想文のような何か

田中です。

暖かくなって来て気持ちがいいですね。春は好きな季節です。

 ところで、先日「うつヌケ」を購入しました。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

 

幼少期から手塚治虫作品に触れて来ていた私。初めて田中圭一先生の作品を読んだ時は衝撃を受けました。

 

手塚治虫の絵ですごいゲスい」

 

手塚治虫のエログロ要素だけを抽出し、さらに低俗化した下品な*1パロディでめちゃくちゃ笑いました。手塚プロダクションから怒られないのかな、と思ってたら案の定怒られてました。

さて、そんな田中先生の本作、発売時に店頭で立ち読みをしたことがあります。

「へぇ~この人うつだったんだ。えっ、この人も?」

うつは誰でもかかるものなんだと、立ち読みしながらぼんやりと思った記憶があります。その数年後、私もうつになったわけですが。

 

この本を読んで気づいたのは、うつヌケした人たち=うつになった人たちは、自分と似たような境遇や思考の仕方の人が見受けられたことでした。

幼少期のトラウマ、ストレス。自分の本心に蓋をしていたというのは、大いに当てはまりました。後半辺りから泣きながら読んでいました。実際、この本を読んでから、幼少期の出来事を何個も思い出しました。しかも、今まで思い出したこともなかったような些細なことまでもです。

そのような、過去に蓋をしてきた自分の本心に気づき、そしてそれを認め自分の気持ちを開放したことで、幾分気持ちがスッキリとしたように思えます。

 

心療内科での診断から1週間くらいは、「自分は本当にうつなのか?誤診ではないのか?」と非常に懐疑的でしたが、この本にあった“うつの入口”は、まさに私の症状そのものでした。自分の現状を受け入れる段階に来れたのは、この本で様々な事例を読み、事例として挙げられた人たちと自分との類似点から、客観的に自分を見つめ直せたおかげです。

また、″うつヌケ”した人たちがどうやってトンネルから抜けたのか、それについて知れることは非常に為になりましたし、何より前向きな気持ちになれました。

自分の気持ちと向き合うことはとてもしんどい。でも、本心に対して素直になることで、余計なストレスを抱え込まなくなるし、生き辛さから解放されるのだと思います。

「これをしたら、周りに引かれるのではないか」と、本心を抑え込み行動することを躊躇いがちです。

でも、同じ行動を別の人がしたらどうだろうか。ここで、視点を変えると、誰かがその行動をしても私はその人に対して引きません。寧ろ面白いと思うかもしれません。

他人のことは冷静に見れるのに、自分のこととなると迷宮入りしてしまう思考の癖に気づきました。

まずは思考の仕方を少しずつ変える意識を持って、私も“うつヌケ”したいと思います。

 

*1:褒めてます。田中先生好きです。